新型コロナウィルスの影響でテレワークが多くなり、VPNなどのインターネットの接続を見直す企業なども増えています。
この記事では、次のことが分かります。
・VPNとは
・VPNを使うメリット
・VPN接続に違法性はないの？
VPNとは？
VPNは、Virtual Private Network（仮想プライベートネットワーク）の頭文字をとった略称です。
日本語で「仮想専用通信網」を意味します。
インターネット上に仮想の専用線を設定して、特定の人が利用できるようにしたネットワークのことです。
暗号化などの設定で、セキュリティ面で安心なデータのやり取りを行うことができます。
VPN接続の特徴は、全国各地や海外などの距離に関係なく、アクセスできることです。
また、1対1の通信だけでなく、拠点同士の通信もできます。
VPN接続には、四つの種類があります。
インターネットVPN・エントリーVPN・IP－VPN・広域イーサネットです。
インターネットVPNは、インターネット回線を活用したもので、導入も手軽でコストも抑えられます。
エントリーVPNは、ブロードバンド回線を利用し、比較的安価でセキュリティも高いですが、通信環境が不安定になることもあります。
IP‐VPNは、通信事業者の専用線でネットワークを構築し、通信環境は安定しています。
反面、保守や運用を事業者が行うため、コストが高いです。
広域イーサネットも、通信事業者の専用線を利用します。
IP‐VPNに比べて、自由度が高い反面、保守や運用を利用企業が行わなければいけません。
VPNを使うメリット
VPNを使うメリットは、コスト面とセキュリティの高さです。
また、離れた拠点間で、安全にデータのやり取りを行うことができます。
通信内容を第三者に盗み見られたりする心配がないので、データ改ざんの心配もなくオンライン決済も安心です。
テレワークのセキュリティ強化
新型コロナウィルス長期化の影響で、テレワークが浸透してきました。
自宅やシェアオフィスから、企業のコンピュータやシステムにアクセスできる環境を整えるために、VPN接続を導入する企業も増えています。
VPNのメリットは、トンネリングや暗号化などの機能を使って、情報を保護することです。
セキュリティ強化によって、情報漏洩や外部侵入をブロックします。
VPNなどの通信経路の暗号化は、総務省の「テレワークセキュリティガイドライン」にも示されており、推奨されている方法です。
フリーWiFiのセキュリティ強化
フリーWiFiの普及で、スターバックスなどのカフェや、移動中の電車や新幹線でもインターネットが活用できるようになりました。
外出先や出張中の業務の合間に、調べ物をしたりSNS等に投稿できたりするので便利です。
しかし、「スマホを落としただけなのに」の映画のように、不特定多数の人が利用するフリーWiFiには危険性が潜んでいます。
暗号化されていないフリーWiFiは、のぞき見されてパスワードを盗まれたり、なりすましアクセスポイントで端末に侵入されて情報を抜き取られてしまったりすることもあります。
そのため、安全性は重要なポイントです。
出張等でフリーWiFiをよく使う方は、セキュリティ対策としてVPNを利用している人も多くなっています。
VPN接続によって、カフェや交通機関でも安全に作業ができます。
日本から海外サービスを利用
日本から海外サービスを利用する際にもVPNが役に立ちます。
例えば英国放送協会（BBC）が開発したインターネット経由のテレビ、ラジオ視聴サービスである「BBC iPlayer」
ゲーム機に特化したサイトもあり、人気ですが、BBC iPlayerのテレビ視聴は、イギリス国内に限られています。
しかしVPNを使ってイギリスのサーバーにつなげば、日本からでも視聴することができるようになります。
もう一例を挙げると、世界中のテレビ、映画などが配信されているシンガポールのウエブサイト「Rakuten Viki」
日本では、Rakuten Vikiで、韓国ドラマなどアジア圏のドラマを字幕付きで見ることができます。
VPNを活用すれば、国内のどのサービスより韓国等で配信されているドラマを速く安全に見ることが可能です。
海外から日本のサービスを利用
海外から日本の国内ドラマを見たい時も、日本から海外サービスへと同様にVPNを活用すると安全に視聴することができます。
何の対策もしないで視聴しようとすると、「あなたの地域からはこのビデオを見ることがで
きません」という意味の英語表記が出てきます。
アクセスを拒否されてしまうのです。
VPNを使って、日本国内に接続することで、「Netflix」「Amazonプライム」「Hulu」「Abema」「Tver」などの日本の動画配信サイトを利用することができます。
有名サブスクリプションサービスを安く利用できる
YouTubeプレミアムやNetflixなどの有名サブスクリプションサービスを安く利用するために、トルコ、インド、アルゼンチンにVPN接続する人も増えてきました。
アルゼンチンから接続してYouTubeプレミアムに登録すると、2022年5月で日本より約90％OFFになるという報告もあります。
【参考】YouTubeプレミアムをアルゼンチン版で安く利用する方法
また、Netflixを日本から利用すると、ベーシックプランで月額990円ですが、VPN接続でトルコから登録すると約227円になります。（2022年5月時点の為替レート）
オンラインゲームを安全で快適に
インターネットに接続する時間帯によって速度に差が出ることを体験した人も多いことでしょう。
オンラインゲームでは、速度が重要になります。
真剣なゲームであればなおさらです。
VPNは、通信速度の制限を受けることがありません。
サーバーに直接接続するため、快適にオンラインゲームをすることができます。
また、地域制限を解除できるため、世界のプレーヤーとゲームをすることが可能になります。
VPNによる暗号化接続によって、データを保護し安全に保存できることもメリットです。
VPN接続に違法性はないの？
VPN接続が合法かどうかは、インターネット掲示板にもよく質問があがっています。
VPNの違法性は国ごとによって違いますが、日本を含むほとんどの国ではVPN接続をすること自体は合法です。
しかし、VPNが合法の国でも、VPNを使って著作権侵害や薬物犯罪などの違法行為をすれば罰せられるのは当然です。
VPNの利用が禁止or制限されている国
法律は常に変わることが予想されますが、VPNの利用が禁止されているのは、中国とロシア、オマーン、イラク、アラブ首長国連邦です。（2022年5月）
また制限しているのは、トルコ、ベラルーシ、イランです。
インターネットそのものの制限があったり、政府の許可をとったプロバイダのみを合法にしたりしています。
アラブ首長国連邦では、VPN使用に多額の罰金を課しているので使用しない方が賢明です。
まとめ
機密情報保護の観点やテレワークの普及によって脚光を浴びているVPN.
VPN接続によって地域制限が解除され、日本にいながら海外のドラマを安く安全に視聴したり、海外から日本のドラマを見たりすることが可能になっています。
また、VPN接続によって通信速度が安定し、オンラインゲームを快適に取り組むことができるのもメリットです。